864年の富士山の噴火(貞観(じょうがん)の噴火)によってできた湖です。当時、日本の富士山北麓には「剗の海(せのうみ)」という大きな湖が広がっていたのですが、噴火による大量の溶岩の流れによって分断され、西湖と精進湖が誕生しました。

青木ヶ原樹海に接する西湖は、別名「青木龍神」とも呼ばれ、西湖と樹海の森は切っても切れない仲にあります。また、古来、富士山麓の湖は、水の神とされてきた富士山の分身とされ、西湖周辺には、竜宮洞穴、富岳風穴、鳴沢氷穴など、龍神伝説の残るスポットが点在します。西湖の北西岸にある根場浜(ねんばはま)という景勝地では、浜辺に立つと、正面に望む富士山から樹海の森をつたい湖水があふれ流れてきているように見え、この湖が青木龍神と呼ばれてきたことを感じられるでしょう。(根場浜は、逆さ富士が見られるスポットのひとつとしても有名です。)

富士五湖のなかでも、長らく観光地化されなかったことから、富士山の噴火活動が湖と森を誕生させた頃の太古の風景が今も息づいており、春にはミツバツツジのピンク色、初夏は溶岩をおおう苔の緑が、秋にはカエデやナラの赤黄色が、蒼い海のような森をあざやかに彩ります。また、その透明な湖底ではヒメマスやフジマリモなど、希少な生命を育み、2010年には、絶滅したと考えられていたクニマスが70年ぶりに発見されたことも大きなニュースとなりました。

写真:PIXTA

所在地〒401-0332 山梨県南都留郡富士河口湖町西湖
TEL0555-82-2160(西湖野鳥の森公園)
ホームページ 富士五湖ぐるっとつながるガイド 
https://www.mt-fuji.gr.jp/jyunrei/saiko-2/
備考西湖野鳥の森公園:駐車場あり(100台・無料)

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