池の位置する白石平野(佐賀平野西南部)西部の杵島山麓一帯には元々北部九州有数の湧水群が存在しており、縫ノ池も800年以上の歴史があるとされている。この湧水群は地域の農業用水、生活用水として利用されてきたが、国策として干拓事業が進められ農業用水が増大すると、付近を流れる六角川は有明海から海水が遡上するため利用が難しかった白石平野では水不足が常態化した。さらに、昭和30年代前半の旱魃対策として多数の深井戸が掘られ、生活用水も地下水に頼るようになった結果、この地域の湧水群は全て枯れ果て、縫ノ池も1958年に干上がってしまった。しかし、2001年4月に飲料水を佐賀導水事業の佐賀西部広域水道企業団によって表流水に転換すると、直後から厳島神社の周囲から湧水が出始め、池が復活した。この滝の水の流れによって、轟の滝に住む龍神が縫ノ池の弁天に会いに来たという恋物語の伝説もある。

所在地〒849-1115 佐賀県杵島郡白石町大字湯崎2411
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