知多市の八幡に入鹿龍神と呼ぶ祠(ほこら)があります。土地の人から入鹿さんと親しまれているものです。
ある年の台風が去った朝のことです。やっとかめで漁ができると喜んで海岸に来た村人の一人が、船のかげに長々と横たわっている大きな竜を見て、腰をぬかすほど驚きました。
すると、人の気配に気づいた龍のほうから弱々しく話しかけてきました。「わしは、犬山の入鹿池の主だが、今度の暴風雨で池の堤が切れ、海に流されてしまったのだ。一晩大波にもまれているうちにすっかりへたばってしまったわい。どうか、わしをこの地に奉ってくれんかな。そうすれば、村の安全と繁盛を約束しよう。」それだけ言うと、やがて龍の姿は見えなくなってしまったそうです。
このことを知った村人たちは、さっそく海岸近くの井戸のそばに祠を作って龍を奉りました。すると、ほうぼうから入鹿さんにお参りに来るようになり、村は大変にぎやかになったということです。
所在地 | 愛知県犬山市 |
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ホームページ |
愛知県 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/chita-nourin/0000013254.html |
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