滝行で自分と向き合うリトリート

みなさんは最近、リトリートという言葉を耳にすることはありませんか?リトリート[retreat]は、もともと避難・静養所・撤退・瞑想などの意味を持つ言葉で、転じて「慌ただしい日常から離れ、自分自身に向き合い、心を整える、癒やしを得る」という意味合いでもつかわれます。

滝行は、そんなリトリートのひとつの方法です。

もちろん、滝が流れ落ちるのを眺め、飛瀑する音に耳を傾けるだけで癒やされるという方も多いと思いますが、滝行は千年以上の昔から、修験者が精神修行(自身の俗なる穢れ(けがれ)を滝の水によって洗い清める)として行われている行為ですから、見るだけ、聞くだけではわからない体験になります。実際、滝行をした方が心を軽くして帰られることは多いと聞きますし、ご興味のある方はぜひ一度体験してみることをおすすめします。

一般の方が参加できる滝行ができる場所はそう多くはありませんが、今回は、関西で滝行ができるスポットを6つご紹介します。

※現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、行場を閉鎖しているところもあります。詳しくは、各ウェブサイト等でご確認ください。

白瀧大明神/三重県鳥羽市

白瀧大明神(しらたきだいみょうじん)は千年の昔から、自然信仰の神さまとして人々に親しまれ、清く流れる水は運気を高め滝修行の聖地と言われています。正式な名前は白瀧大明神ですが、地元の人たちからは親しみを込めて「白瀧さん(しらたきさん)」と呼ばれ、恋愛成就の神さまとしても知られています。(白瀧さんとは、伊勢神宮からこの辺り一帯に広がる山全体を指し、白瀧さんそのものが御神体です。)

この辺りに見られる山岳信仰は、修験者のように厳しい修行をしていたというよりは、幸福を願ったり、神に祈ったり、奉仕するために心身を清める、という意味合いでの修行が多かったようで、初心者や未経験者の方にも滝行体験がひらかれています。

体験料は2200円~、男性はふんどし、はちまき付、女性白衣・作務衣レンタル、はちまき付です。所要時間は約1時間~1時間半ほど。ガイドが滝まで案内し、滝行のレクチャーを行っています。

所在地:〒517-0045 三重県鳥羽市船津町635-3
TEL:090-3382-7079
WEB:https://shiratakisan.jp/top/takigyo/
アソビュー!予約:https://www.asoview.com/item/activity/pln3000022821/

七宝瀧寺/大阪府泉佐野市

七宝瀧寺(しっぽうりゅうじ)では、修験道(しゅげんどう)の修行に同列してみたいという一般の方のために、犬鳴山(いぬなきさん)修験者先達の指導のもと、行場や拝所を回峰し、その後、行者の瀧で瀧修行をする一日修行体験を行っています。開催日は、原則として毎月第3日曜日(12月から2月は休止)、参加費は3,000円(瀧行用衣貸出含む)で、10日前までに申し込みフォームかFAXにて予約が必要です。

犬鳴山での修行には女性も参加できるため、女人禁制の大峯山(おおみねさん)に対して女人大峯とも呼ばれており、実際、女性の方が多く修行されています。

所在地:〒598-0023 大阪府泉佐野市大木8
TEL・FAX:072-459-7101
WEB:http://inunakisan.jp/gyouja

勝光寺/大阪府河内長野市

人間繁盛応援寺と銘打つ、勝光寺(しょうこうじ)には、大自然に恵まれた太多福滝の行場があり、古くより人生を豊かにする太多福大神を祀り、霊験あらたかな霊滝として信仰されております。

勝光寺では、月に5、6回、一般の方が参加できる寺修行が行われており、その中に滝行があります。(滝行のみの体験は受け付けていませんが、半日または1日修行コースにて、滝行、座禅、読経、人間繁盛学講義などを受けられます。)マイナスイオンも溢れ大変爽やかで神々しい空間で、設備や指導も整っていることから、年間約1,200名の方が参加されているそうです。
※開催日は、下記サイトより予定日をご確認ください。

所在地:〒586-0085 大阪府河内長野市日野1379-6
TEL:0721-60-0021(9:00~17:00)
FAX:0721-60-0028
WEB:http://www.syokoji.jp/taki.html

関西身延 真如寺/大阪府豊能郡能勢町

関西身延真如寺/大阪府豊能郡能勢町

関西身延 真如寺(かんさいみのぶ しんにょじ)では、毎月1回、基本的には月例法要のある日の午前中に、初心者でも参加できる滝行会が実施されています(御志納料:3,000円)。定員は10名までで、滝行会が行われる3日前までに申し込みが必要です(ウェブサイトには申し込みフォームがあります)。参加者の宗派は問われませんが、日蓮宗の法式で修業を行われ、滝行の前には講習がありますので、初めてお滝修行をされる方、日蓮宗の法式で受けるのは初めてという方は、開始時間から参加しましょう。
※開催日は下記サイト内の今月の行事などをご確認ください。

所在地:〒563-0121 大阪府豊能郡能勢町地黄606
TEL:072-737-0135(10:00~15:30)
FAX:072-737-0448
WEB:https://www.kansaiminobu.org/service/takigyo.html

法厳寺(牛尾観音)/京都市山科区

法厳寺(ほうごんじ)は、通称、牛尾観音(うしおかんのん)とも呼ばれる、京都山科にある修験道のお寺です。奈良時代、修験の場として開かれ、開祖・延鎮上人(えんちんしょうにん)以来、修行僧の呪術的逸話が多く残っています。役行者(えんのぎょうじゃ/役小角(えんのおづぬ))の秘法・六大縁起に基づいた道場になっており、毎年夏場に、滝修行が行われ、女性も参加できます。

所在地:〒607-8069 京都市山科区音羽南谷1
TEL・FAX:075-581-1586(寺務所)
WEB:https://www.hougonji.info/%E6%BB%9D%E8%A1%8C/

龍泉寺/奈良県天川村

最後にご紹介するのは、山岳信仰の聖地中の聖地としても有名な、役行者(えんのぎょうしゃ/役小角(えんのおづぬ))が開山した大峯山(おおみねさん)の山麓にある龍泉寺(りゅうせんじ)です。大峯山は、はるか1300年前に日本独特の宗教「修験道(しゅげんどう)」が生まれた地で、今もなお、篤く信仰され修行で訪れる人が絶えません。

龍泉寺は、役行者が大峯山で修行していた頃、山麓の洞川(どろがわ)に下り、岩場の中からこうこうと湧き出る泉を発見され、そのほとりに小堂を建て、八大龍王をお祀りし、行をしたのが龍泉寺の始まりであると伝えられています。洞川から登る修験者は、宗派を問わず龍泉寺に詣で、水行のあと、八大龍王に道中安全を祈ってから、山上ヶ岳に向かうしきたりとなっており、修験道の根本道場として信者・登山者は必ず訪れる霊場となっています。

龍の口から湧き出る清水は、役行者以来、今も絶えることなく清冽な流れを境内にたたえおり、修験者の清めの水として大峯山中第一の水行場となっていますが、修験者だけでなく一般の方も水行を行うことができます。(龍泉寺の拝観料は無料 水行衣は300円で貸出)

所在地:〒638-0431 奈良県吉野郡天川村洞川494
TEL:0747-64-0001
FAX:0747-64-0121
WEB:http://oominesan-ryusenji.jp/index.html
大峯山洞川温泉観光協会/修験道:http://www.vill.tenkawa.nara.jp/ds/

写真:PIXTA

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