日本を代表する滝3つを選んだ日本三名瀑といえば、一般的に、日光の華厳の滝、熊野の那智の滝、奥久慈の袋田の滝のことをいいます。日本にはこの三名瀑にも負けないスケールや美しさを誇る名瀑が数多くありますが、この記事では日本三名瀑をご紹介します。

華厳の滝(栃木県)

48もの滝があると言われる日光周辺で、最もよく知られている滝です。

中禅寺湖の水が落差97mの絶壁を一気に流れ落ちる様は迫力満点で、自然が作り出す滝の雄大さ、美しさを存分に味わうことができます。また、エレベーターで滝つぼ付近に降りれば、さらに迫力ある風景を見ることができます。滝の落ちる大きな音と迫力ある水しぶきで、展望台から見るのとはまた違った姿に触れることができるでしょう。

華厳ノ滝でおすすめの景色は、第2いろは坂にある明智平展望台から見る姿です。華厳ノ滝の上に中禅寺湖が浮かんでいるように見え、右手には男体山がそびえています。日光の自然が凝縮された景色が広がり、近くで見るのとはまた違った美しさがあります。

袋田の滝(茨城県)

四季折々に変化する滝四段の岩壁を流れる水のつくり出すラインは白糸のようになめらかに、そして時には激しく、さまざまな顔を見せてくれます。新芽吹く木々の緑に縁どられた春、涼を求めての夏、あでやかな紅葉が滝のお化粧をする秋、厳しい寒さで滝が凍結する冬と、袋田の滝は四季折々に姿を変えてくれます。

日本でも有数の規模を誇り、その落差はなんと約120メートル、幅も約73メートルと見応え充分!大きな滝なので、遊歩道からだけでなく、トンネルを通って向かう観瀑台から、角度と高さを変えて眺めることをオススメします。滝が紅葉に覆われる秋も良いのですが、時間が止まったかのような冬の氷瀑も人気です。

四段に流れ落ちる様や、西行法師がこの地を訪れた際「四季折々に訪れないと本当のよさがわからない」と絶賛したことから「四度の滝」とも呼ばれています。

久慈川の支流滝川に架かる袋田の滝は、日本三名瀑に数えられ、高さ120メートル、幅73メートルの大きさを誇ります。
滝の流れが大岩壁を四段に落下することから、別名「四度(よど)の滝」とも呼ばれ、また一説には、その昔、西行法師がこの地を訪れた際、「この滝は四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣は味わえない」と絶賛したことからとも伝えられています。

平安時代の歌僧・西行法師は袋田の滝を見て、「花もみち 経緯にして 山姫の 錦織出す 袋田の瀧」と詠い、その魅力を称えました。

遠くから眺めると穏やかな白いラインが、近付くと地面を叩きつける荒々しさを見せます。眺めていると心が魅了され、時が経つのも忘れてしまうことでしょう。

大子町の冬の風物詩としてすっかりお馴染みとなったライトアップイベント。高さ120メートル、幅73メートルの雄大な滝がライトに照らされる姿は胸を打つ美しさで、日中に観る滝とはまた違った趣きがあります。自然と光がつくり出す神秘の空間が、袋田の滝の新たな魅力を発見させてくれるでしょう。

所在地:〒319-3523 茨城県久慈郡大子町袋田3-19
時間:8:00~18:00(11~4月は9:00~17:00)
料金:観瀑施設(袋田の滝トンネル)利用料 大人300円 子ども150円
定休日:無休
TEL:0295-72-4036(袋田観瀑施設管理事務所)
WEB:https://www.ibarakiguide.jp/db-kanko/fukuroda_falls.html
大子来人〜ダイゴライト〜 袋田の滝ライトアップ:https://www.daigo-kanko.jp/fukuroda-falls/daigolight.html

那智の滝(和歌山県)

那智の奥、大雲取連山から流れている流水が大滝となっており、全山に那智48滝と申すように数多の滝があり、一番高いのが那智御瀧です。

熊野那智大社の別宮、飛瀧神社のご神体として崇められてきた和歌山県の那智の滝。滝の落ち口の岩盤には3つの切れ目があり、三筋になって落ち始めることから「三筋の滝」とも呼ばれています。落差133m、滝壺の深さは10mと、一段の滝としては落差日本一。流れ出る水の量はなんと毎秒1トン程度にも及ぶといわれ、まさに圧倒的なスケールを誇ります。

 一の瀧とも申し、高さ133m・銚子口の幅13m ・瀧壺の深さは10m以上あり、流下する水量は普通毎秒1トン程度といわれています。
 この滝の上流には二の滝、三の滝があり総称して那智の大滝とされ、国の名勝になっています。

下流には滝修行で有名な文覚滝(もんがくのたき)があります。水は生命の母と申し、那智山信仰の根元であります。古来、延命長寿の信仰が篤く、数多の滝修行者や参拝の人々が詣で、今日もこの御瀧の水は延命長寿の水として尊ばれています。

この付近一帯は吉野熊野国立公園特別地域であり、付近の山は那智原始林として国の天然記念物であり、高浜虚子は「神にませばまことうるはし那智の滝」と詠んでいます。

那智の滝そのものが御神体とされ、「飛龍権現」として拝まれている。花山法皇が那智で千日籠の修行中、龍神から如意宝珠と水晶念珠と九穴の大鮑(あわび)を授けられたという。九穴の大鮑は一の滝の滝壺に沈めたとされ、この水を飲むと長生きできるという言い伝えがある。那智の滝は天界と地上を結ぶ通路。

写真:PIXTA

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